身近にいる人たちへのインタビュー。第一弾は、あおぺ。
PROFILE:
あおぺ
2007年生まれ18歳、東京大学1年生。
塾のバイトと家庭教師を掛け持ち中。
seamilk運営者の甥。
おはようございます。今日はありがと。
ところで最近、生まれて初めてバイトを始めたらしいですね。働いてみて、社会というものがちょっとでも垣間見えましたか?
いや、見えなくなってきた。
逆に、生ぬるい環境に身を置きすぎたかも。
塾のバイトは、授業中は座ってて、授業の合間の15分だけちょっと働いて、あとはまた座って社員さんとおしゃべりしたりちょっとパソコンパチパチして、帰るだけ。
うわ、最高。何その仕事。そのうちさ、教えることもするんじゃないの?
私、シフトを入れるのが不定期だから。
あなたの一日のスケジュールをざっと教えてください。
最近ね、10時とかまで寝てるよ。
受験生の時と違いますね。朝5時くらいに起きてませんでした?ほんと、数ヶ月前まではまだ高校生だったじゃん。一気に環境が変わったよね。
変わったね。
どう? 精神的な成長みたいなものは感じていますか?
余裕はできた。受験が近かった時は、その時にやらなかったことが、そのまま後悔に繋がる可能性があったわけだから。
0か100の結果しかないもんね。しんどいよな。受験期間中のメンタルケアはどうしてた?
私は学校とか塾に友達がいたから、メンタルは意外と平気だった。
あ、そうなんだ。
うん。学校か塾の自習室とかにいて、あんまり家で勉強してなかった。家の方がうるさいから。家にいるとマコさん(あおぺの母)も心配したりして、マコさんも私もお互い嫌になるから、そうしようってなってた。悪影響しかないんですよ。
息抜きはどうしてたの?
信じられないくらい音楽を聴きながら勉強してた。先生も、あまりおすすめはしないって言ってたけど。でも私はそれを無視して、音楽をガツガツ聴きながらやってた。今でも、悪くなかったと思ってる。
何を聴いてた?
Queenにハマってた。なんか知らないけど。
めっちゃいいじゃん。
Queenのアルバムを6枚くらい、全部聴いた。あと、宇多田ヒカルのベストも聴いてたね。あと、なんだろうな。ヒップホップも聴いてたよ。Logicとか。Snoop Doggもかな。
なんか、君は90年代とかの古いヒップホップを聴いてますよね。
そうだね。Nasの『Illmatic』とかもめっちゃ聴いてた。
名盤ですね。最近、勉強はしてるんですか?
それが、してないねぇ。
本当は言いたくないんだけど、しかも、マコさんには(まだ)言ってないんだけど、ドイツ語の追試を食らって。正直、私は数学や物理だったらいけると思ってるんだけど、英語も苦手だったし、そもそも言語系が苦手で。
ウケる。なんで語学が苦手なんだろうね。ニュアンス的な、文法と言いつつも揺らぎのある感じが苦手なのでしょうかね。
ブレると困るけど、最近、言語はそういうものだって受け入れる姿勢を学んだ。
ああ、いいね。君は哲学が好きだって言ってましたよね。最近、哲学書とか読んでますか?
まさに今、ベットの横に置いてあるのがフッサール。
現象学的なやつですか。
でも、難しくて、読んでは寝落ちしてる。いろんな哲学書を原文で読んでみたいっていうのもあって、ドイツ語を選択したんですよ、私は。でも追試食らった。
最近、小説は読んでない?
読んでない。
前はすごく好きだったよね。
うん、まぁ気分あるよね。波が。
周りの子たちはどんな本読んでるの?
読書好きの人は見たことない。
えぇ。みんなYouTubeばっか見てるんだ。偏見だけど。
高校も大学も一緒な仲良いやつは、サッカー部だし、サッカーばっかしてる。
ああ、サークルじゃなくて部活だから本気なんだ。
そう、体調不良で休んだら罰則があるらしい。
なんとも昭和的な、、、。超体育会系ですね。
私は割と体育会系だから、いいんじゃないかなって思ってる。
君はなんか、割と懐古型ですよね、、、では、最近興味あることは?
難しいな。音楽かな。音楽は、ずっとしたい。軽音サークルに入って、先輩たちの影響でStevie Ray Vaughanがすごく好きになった。
渋い。最近好きなジャンルとかあるの?
なるほどね、なんだろう。考えたことなかった。私はなんでも聴くから。
最近、J-POPを聴くよ、普通に。星野源とか、宇多田ヒカルとか。
ヒップホップは最近あまり聴いてないけど、André 3000は聴いてるかも。日本のヒップホップなら、ZEEBRAかなぁ。あ、あと、Thundercat。2017年ごろに出た『Drunk』がすごく良かった。
いろんな物事に興味を持っていると思うけど、生き様がかっこいいと思う人っていたりする?
David Bowieかな。まず純粋に、作る曲が素晴らしい。あと、やっていることが面白い。自分を変え続けて、ペルソナ的な役割をしている。ペルソナを持つDavid Bowieが、David Bowieらしさというか。
うむ、セルフプロデュースがうまい、ということですかね。
そうだね。セルフプロデュースがうまいのが憧れかもしれない。Michael Jacksonとか、Princeみたいに。
Bowieの『Ziggy Stardust』がすごく好きで、ファッション的にも刺激を受けた。かといって、私はグラムファッションなんてしないし、私のファッション自体は変わってないんだけど、そういうことをしてみたいって思わせられた。普通のファッションというよりも、そういう形で生きていきたいとはちょっと思ったよね。
あの、グラムのキラキラした感じ?
キラキラした感じというか、晩年の『Blackstar』とか、『Heroes』とかがめちゃくちゃ好き。
いろいろ取り入れて、全部自分のものにしているところがすごいと思う。真似しているんじゃなくて、自分側に引き寄せて、自分のものにしているっていうのが分かるから。
確かに。取り入れたものにリスペクトがあり、しっかり脚色して出していますよね。
結構、ヒップホップ的な発想で、テイクカルチャーみたいな。美しいサンプリングカルチャーみたいな。
David Bowieみたいな格好をしたいって思う?
サークルとかでライブがあるから、ステージ上ではやってみたいかも。でも私、若い頃のDavid Bowieより、晩年のDavid Bowieが好き。シックな感じ。
将来、こうなりたい、みたいなものはありますか?理想像というほどでもなくていいんだけど、道徳的にでも、生き方としてでも。
太い人間になりたい。狭いね、やっぱり。今の自分の世界は。東大、狭いわ。びっくりしちゃうのは、小学校の頃の塾の友達とか高校の友達が、大学でも同じクラスで仲がいい、みたいなのがあって。狭いかも。
今、私が普通に満足しているのもあるけど、せっかく大学に入ったのに全然新しい友達ができていないっていうのもある。これから先、新しい友達ができていけばいいと思うんだけど。もっと友達を増やしていきたいし、いろんなことを知りたい。やっぱり、あの子とか素晴らしかった。あなたの友達のライブに行った時にいた留学生の女の子とか(※ライブ会場で出会ったとっても明るいアメリカ出身、17歳の留学生)。あのオープンなメンタリティは見習っていきたいなと思った。
あなたは今でも幼稚園から仲良かった子たちとよく遊んでるよね。楽しそう。A辰くんとか元気してる?
元気だよ。今、とんかつ屋でバイトしてて、うちに家族みんなで食べる量のとんかつを持ってきてくれる。無料ウーバーイーツ。
笑 やさしいねぇ。ちなみに、こうはなりたくないなっていうのは?
さっきの逆だね。殻に閉じこもりたくない。
例えば、数学自体にルールがあるんじゃなくて、人間が“そういうルールがあるよ”って決めた中で、自分で決めて見えていなかったものが、研究によって見えるようになってきたっていう考え方を、私は最近してる。
やっぱり物事は、人間がどう捉えるかっていうところ、まさに学問ってそこから来ているから。私の最近の考えはね。ってことは、やっぱり人間一人だとできることは少ないです、って思っちゃう。よく周りの世界に目を向けることは大事かなって。
なるへそ。人と関わるというところで、自分と意見が反する人もいたりすることがありますよね、そういうのは、どう対応をしていく?
そういう人がいるとか、そういう考えがあることが存在しているということは、だいたいの場合、知っていることの方が多いから。
自分が重視する観点と他人のそれが真逆だったとしても、別にそういう人はいるし。私が一番嬉しいのは、自分と全く真逆の人がいることのほうかも。さすがにこういう観点では、みんな自分とみんな同じ考えだろうって思うところで、全く逆の考えを持ってる人がいたら面白いよね。
最近、興味のある科目は?
統計学、楽しいよ。なんか、アバウトらしさがいいよね。アバウトらしさをアバウトのままにしておくっていう学問、珍しいじゃん。
むぅ、ネガティブ・ケイパビリティっぽいとこに繋げそうな話になりそうな。
ちなみに、いま、聴いてみたい音楽は?
David Bowieの『Blackstar』はもっと聴きたい。
あとは、R&Bとゴスペル。あと、クラシックの生公演に行ってみたい。
では最後に、最近おすすめの曲を教えてください。
ベタだけど、Michael Jacksonの「Man in the Mirror」。
あ、あと、星野源の最新アルバム(『Gen』)。めっちゃいいのに、周りが誰も聴いてなさすぎる。Louis Coleも一緒に曲を作ってた。
私も聴いてないので聴いてみます。
ちなみに、あなた、幼稚園の頃からずっと「あおぺ」って呼ばれてたじゃん? 高校でも?
うん。
大学でも「あおぺ」って呼ばれてる?
いや、大学で名前を呼んでくれる友達がいない。
笑
質問しすぎて長くなってしまったので、かなり抜粋しました。
録音した音声を聞き直したら、Z世代に対して解像度が低い私がオバちゃんすぎて、かったるい年寄り語りをしてしまっていたこともあり、相手の話を真摯に聞くこと、そして、相手の答えを誘導しない話し方について考えさせられる良い機会にもなりました。
ちなみに、あおぺは9歳の時、編集者・小川知子さんの粋な計らいで、しまおまほさんにインタビューをしていただいたことがあります。
いつの間にか「完璧無敵装置」も必要なくなり、一人称も「オレ」から「私」へと変わったあおぺ。ぜひ読み比べて、人間の成長を感じてほしいです。
次回のインタビューは、日本の第一次産業を盛り上げるべく奮闘する男子に、お話を聞こうと思います。

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